PR

『THE ALUCARD SHOW』観劇レポ・松下優也、平間壮一、彩風咲奈の魅力を探る。

ライブ・観劇レポ

12年ぶりの再演となった『THE ALUCARD SHOW』。

続投となる松下優也さん、平間壮一さんのお二人と、新しいキャストがどんなケミストリーを見せてくれるのか、本当に楽しみにしていました。

今回、人気歌手マリア役で元宝塚歌劇団雪組トップの彩風咲奈さんが出演されるということで、どんな役作りをされるのだろうかとワクワクしながら劇場へ足を運んできました。

ストーリーのネタバレも含みますが、私が劇場で実際に感じた感動や考察をそのままお伝えし、共感してもらえたら嬉しいです。

『THE ALUCARD SHOW』のあらすじ

人気スターのマリアが、これからの人気をさらに維持するためにバックダンサーのオーディションを開催。

マリアのマネージャーであるウォルターが目を付けていたダンサー達がオーディションに現れず困っていると、あたりが急に暗くなり、彼らが現れて圧巻のダンスパフォーマンスを披露します。

無事にマリアのバックダンサーに決まるものの、いつしかマリアを凌ぐほどの人気ダンスグループへと成長。

しかし、そんな中でダンスグループのファンの女の子が一人、また一人と姿を消すようになり……やがてそのダンスグループの「真の姿」が明らかになっていくというストーリーです。

プラド役:松下優也 続投ならではの安定感と、色気

一挙手一投足に漂うスタイリッシュな佇まいは、観客を一瞬にして『THE ALUCARD SHOW』の世界へと引き込んでくれます。

12年前からこの作品に息を吹き込んできたからこその、余裕と説得力に満ちた立ち振る舞いはさすがの一言。

松下優也さんの最大の武器である圧倒的な歌唱力と、グルーヴ感あふれるパフォーマンスは今作でも健在です。 甘く力強い歌声が劇場に響き渡るたび、客席の空気がグッと引き締まります。

妖艶でありながらどこか切なさを感じさせる表現力で、ただカッコいいだけではない「プラド」というキャラクターの深みを存分に魅せつけてくれました。 新キャストの皆さんとの化学反応も含め、ステージの中心で輝きを放つ姿にすっかり釘付けになってしまいました。

プラドとマリアの関係性についての考察

プラドは歌姫となったマリアの前に現れました。 しかし、栄光の頂点に立ち、国民的歌姫となったマリアは、いつしか人間としてどこか傲慢さを纏うようになっていました。

・・・果たして、そんな人間の前に、彼らは再び現れるのでしょうか。

華やかなステージの裏で、富や名声を手に入れてもなお満たされない人間の孤独や業(ごう)。それを鋭く見抜くかのように妖しく佇むプラドの姿には、底知れない色気と怖さがありました。

作中でダンスグループのメンバーたちは姿を消してしまいましたが、ブラドという存在は今もどこかで生き続け、いつかまた、マリアのような欲望を抱えた人間の前に現れるのかもしれません。

完璧ではない人間たちの危うさと、それを狂おしくも美しく見つめるブラドの視線・・・。幕が下りた後も、「人間の心の闇」と「永遠」の物語が心の中でずっと続いているような、そんな深い余韻を感じさせるステージでした。

オルロック役:平間壮一 圧倒的なダンススキルと豊な表現力

ステージに登場した瞬間から空気を一変させるような、平間壮一さんの圧倒的なダンススキルと爆発的なエネルギーは本当に見事でした。

一歩一歩のステップのキレ、全身を使った表現力の豊かさは、観客の視線を一網打尽にするほどの迫力。 作品全体をグイグイと引っ張っていく熱量に満ちあふれており、歌やダンスの端々にパフォーマーとしての底知れない実力を感じさせられます。

平間壮一さん演じるオルロックの大きな魅力は、何といっても緊迫感のあるシリアスな表情と、思わずクスリとさせられるコミカルな芝居の鮮やかなギャップです。

ダークで妖艶な吸血鬼としての怖さや色気を漂わせたかと思えば、絶妙なユーモアや人間味を感じさせる瞬間もあり、その振り幅の広さがキャラクターに深い奥行きを与えていました。

物語のスパイスとなりながらも決して軽くなりすぎず、作品のクオリティをぐっと引き上げる素晴らしい存在感でした。

今作を観ていて特に印象的だったのが、ダンスグループの出演者たちにはセリフが一切なく、すべてがパフォーマンスによる表現だったということです。

言葉を発しない状態で、喜怒哀楽やキャラクターのバックグラウンドを観客に正確に伝えることは、想像を絶するほど難しい挑戦だったはず。 それにもかかわらず、息をのむほど圧巻のダンスを見せたかと思えば、その直後にふと見せるクスッと笑えるようなコミカルな表現との絶妙なギャップに、すっかり心を掴まれてしまいました。

ただカッコいいだけではない、身体表現の引き出しの多さと確かな技術力があるからこそ、舞台の隅々まで目が離せなくなるのだと深く実感させられました。

マリア役:彩風咲奈 新たな扉を開いた圧倒的な華やかさ

元宝塚歌劇団雪組トップスターの彩風咲奈さんが、退団後の出演作の一つとして選んだのが今作です。

劇場に足を踏み入れた瞬間から、圧倒的な華やかさとオーラがステージ全体を包み込んでいました。 ただ美しいだけでなく、作中で描かれる「絶大な人気を誇る歌姫」としてのプライドや、スターゆえの傲慢さ、そして物語が急展開していく中で見せる人間味(あるいは裏の顔)のコントラストが絶妙。

宝塚時代とはまた一味違う、大人の女性としての色気と強さが際立っていました。

抜群のスタイルの良さと、宝塚男役で培われたキレのあるダイナミックなダンスは健在です! ダンサーたちに囲まれてもなお埋もれるどころか、ステージのセンターで一際強い光を放つ存在感はさすがの一言。

しなやかな手足の動きと、一瞬一瞬で変わる表情のバリエーションに、観客の視線が釘付けになってしまうほどの説得力がありました。

歌声の面でも、これまでのイメージをさらにアップデートしたようなポップ調の歌と心地よいハスキーさ、そして感情がダイレクトに乗る歌い方がとても印象的でした。

ライブシーンでは、まるで本当のトップアーティストのコンサートに来ているかのような盛り上がりを生み出し、生バンドの演奏に乗せて劇場全体を圧倒。歌で物語をグイグイと引っ張っていく求心力があり、カーテンコールやラストの表情まで、目が離せない見応えでした。

本作では、開幕と同時に歳を重ねた姿のマリアが、歌姫時代のダンサー達との出来事を回想する形で物語が展開していきます。そして、物語の結末で再び歳を重ねたマリアの姿が登場したとき、「実は、マリアもALUCARDだった」という衝撃の真実が明かされるシーンには、思わず「はっ」とさせられました。

華やかな歌姫の裏に隠されていた本当の正体と、時間を経ても色褪せないダークな魅力が重なり合う瞬間は、観劇中最も鳥肌が立ったポイントの一つです。

物語の展開とライブ感を支えた名脇役たち

ブラドやダンスグループのファンは若い女の子が多いという設定の中、ブラドに心を奪われる「おばちゃんファン」サラ役の野口かおるさんが、この作品のストーリーテラー的に大活躍されていました。

ハキハキとしたセリフ回しで、ブラドとダンスグループの真の姿に迫っていく姿や、ダークな雰囲気の中で思わず笑ってしまうコミカルなシーンは、観客にとって絶妙なブレスタイムになっていました。

そして、マリアのマネージャー・ウォルター役の坂田聡さん。 ダークで妖艶な吸血鬼たちが蠢くステージの中で、現実世界のコミカルさと絶妙な人間味を背負うウォルターの存在は、物語の清涼剤であり重要なアクセントになっていました。

緊迫した展開やダークな世界観の合間に挟まる、坂田聡さんならではの絶妙なやり取りや飄々とした佇まいがとても良かったです。

ちなみに、ウォルターがALUCARD化する原因の「謎の飲み物」を飲まされた時の演技はリアルすぎて、観ていて思わずヒヤッとするほどでしたが、その分「いったいどんな飲み物なのだろう・・・」と色々な想像をかき立てられました。

日本青年館へのアクセスと劇場環境

かなり前に何度か日本青年館での観劇経験がありましたが、建物が建て替えられてからは初めて足を運びました。

場所も移動しており、地下鉄外苑前駅から歩いて5分ほど、神宮球場の目の前にあります。以前の場所よりも千駄ヶ谷駅からは少し遠くなりましたが、外苑前からのアクセスは分かりやすかったです。

1階にはカフェとコンビニが入っているので、早く会場に着いてしまってもゆっくり時間を過ごすことができるのが嬉しいポイントですね。

今回私は2階の最前列で観劇しました。2階席の良いところは、何といっても舞台全体を俯瞰して観られるところ!ダンスパフォーマンスのフォーメーションや照明の美しさを上からたっぷりと堪能することができました。

まとめ

「ALUCARD」とは吸血鬼の事、とふんわりと思っていました。調べてみると「DRACULA(ドラキュラ)」のスペルの逆読みだとか・・・吸血鬼を象徴する名前だそうです。

ブラドやダンスグループのパフォーマンスは、歌いながら踊るというハードなものでありながら、とにかくカッコイイの一言。照明効果も相まって、一人ひとりのキレッキレのダンスを存分に楽しむことができました。

上演時間は100分、休憩なし。 そんな中、劇中のマリアのステージシーンで「休憩です」というアナウンスが流れたのですが、あまりにもリアルな響きだったため、私のお隣の席の方は本当に休憩時間だと思われたらしく、そのまま席を立って外へ出られてしまいました・・・。 それ以降戻られなかったので、もしかしたらそのまま終演と勘違いされてしまったのかも・・・と少しハラハラしてしまいました。

個人的には、できれば途中に休憩を挟んで上演時間をもう少し長くし、松下優也さんたちの迫力のダンスや彩風咲奈さんの歌の時間をさらにじっくり味わいたかったな、というのが観劇後の正直な感想です。 それでも、ダークでスタイリッシュな世界観とキャストの熱量がめいっぱいに詰まった、見応えのあるステージでした!

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました